農業技術 アーカイブ

塩化コリン

 私がよく葉面散布剤に使用する塩化コリンについて紹介します。

 以前実験で使用したアグロカネショウさんの“サンキャッチ液剤30S”の成績がよかったので、他の作物(トマトやアイスプラント、ミカン、梅)でもどうかと考えました。
 しかし、サンキャッチ液剤30Sは農薬です。登録作物以外には使用できません。
登録作物は、桃、オウトウ、スモモ、ニンニク、カンショ(サツマイモ)、タマネギ、葉ネギ、イチゴだけです。

 では、他の作物はどうすれば良いかと言えば・・・・塩化コリン単体であればよいのです。何か屁理屈みたいですが塩化コリン原液は農薬登録を取った農薬ではありません。ただの薬品です。(大人の理屈ですな)

 なぜかと言いますと、塩化コリンは飼料で使用されているのです。もちろん作物に残留していても糖やアルコールと同じように無害の物質として許可されています。(残留許可物質)
 飼料では、ビタミンB剤として、B1、B2、B6、B12、葉酸、ニコチン酸(タバコのニコチンとは関係ありません)、パントテン酸、と共に使用されています。

 これが何とか苦労して手に入れた塩化コリン原液です。


塩化コリン

 ごらんの通り無色透明です。わずかに粘度はありますが非常にさらりとしています。水に溶けやすく、その他の成分と混合可能です。私は単用でなく微量要素と混合して使用しています。

 今にて思うと、アグロカネショウさんからも塩化コリンを含む液肥の販売もされているようです。そちらのほうが楽だった・・・。関心のある方はそちらのほうにお問い合わせを。


 さて、この塩化コリン、光合成を活性化させる作用や発根促進作用があると言われている割に資料が手に入らない!なぜ、そのような効果が発見されたのか、どのようにして効果が発現するのか、知りたくなるのが人情(?)でこの点非常に苦労しております。
 因みに技術者必見の農文教から出ている技術体系ではだめです。さわりだけです。(調べて損はありませんが)

 また日を改めて、私の葉面散布実験と資料調査の苦労話を紹介します。


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土壌改良

 難易度  
 土壌改良は、地力の維持、増進するために行われます。大規模に行われる場合(土地改良ともいう)と、作付け前に行われることがあります(あまり意識していませんが)。


地力とは何でしょうか。いろいろな解釈のされ方がありますが、次の3つに分けて考えられています。

物理性 生物性 化学性 ・・・・これらを総合したものが地力です。


①物理性
 土壌の透水性(水の動きの難易)、保水性、易耕性(土のやわらかさ)、作土層の厚さ

②生物性
 微生物の多様性、微生物活性(有機物分解、窒素固定)

③化学性
 養分供給力(土から植物へ)、養分保持力(CEC)、土壌酸度(PH)、塩基バランス(カルシウム、マグネシウム、加里のバランス 4:2:1が理想)


改良の方法
①物理性
 透水性・・・客土(砂)、堆肥、きゅう肥、暗渠
 保水性・・・客土(山土、粘土)、堆肥、きゅう肥
 易耕性・・・客土(砂)、堆肥、きゅう肥
 作土層の厚さ・・・深耕、堆肥、きゅう肥、緑肥(多年生の牧草)

②生物性
 微生物の多様性・・・堆肥、きゅう肥、緑肥、輪作
 微生物活性・・・堆肥、きゅう肥、緑肥、輪作

③化学性
 養分供給力・・・堆肥、きゅう肥、燐酸資材、微量要素、ケイ酸資材
 養分保持力・・・客土(粘土)、堆肥、きゅう肥、緑肥
 土壌酸度・・・石灰資材、燐酸資材、堆肥、きゅう肥、(PHが高い場合は硫黄)
 塩基バランス・・・石灰、苦土、加里資材、堆肥、きゅう肥、緑肥(過剰養分の除去)、排水(大量の水で土壌を洗う)

 以上が土壌改良の見方と方法です。
 
特に堆肥ときゅう肥がよくでてきました。一つ一つの効果は少ないのですが万能的に利用できるため、昔から農家に好んで使用されてきました。
 
実際には、土質、地形、栽培作物、露地又は施設、等の違いにより改良効果をあげるため、堆肥、きゅう肥以外の方法がよく用いられます。

堆肥、きゅう肥は、長い目で見た改良効果と作物に対する生育促進効果があるため、一作ごと作付け前に使用されることがほとんどです。

土壌改良は、施肥に比べて作物に対する効果が大きいですが(施肥は養分供給能力のみ)、人手とコストがかかるため行いたくても・・・という農家が多いのが現実です。

害虫

 オオタバコガ、ハスモンヨトウ

 夏は病気や害虫の発生が盛んな季節です。酷暑が続く8月は意外と発生が少ないものですが、気を抜くと一大事。8月下旬から9月上旬にかけては害虫の発生が増加してきます。(わかりやすいのは特にアオムシの類)
 みてください、こんなになります。

ハスモンヨトウ食害

ハスモンヨトウ食害


 あまり、野菜の害虫に詳しくないのでハスモンヨトウ、オオタバコガ共にアオムシとしてくくって考えています。薬剤、食害の方法がほとんど同じなためです。実用上不便はありません。

 下に彼らの写真を上げておきます。

幼虫


幼虫


 ハスモンヨトウの卵

卵


 これを見つけたら要注意です。ガが圃場内に飛び始めたらどこかにこれがあります。だいたい、葉の裏、支柱、ハウスでは梁や柱にあります。
 よく観察すると見つかります。減農薬に心がける場合、卵を見つけたら(幼虫の発生が少ない段階、または、見当たらない時)、IGR(脱皮阻害剤、商品名カスケードなど)を使用するか、BT剤(商品名デルフィンなど)を2日~3日間隔で2~3回集中して散布します。
 一度居着くとなかなか駆除が難しいものです。早めにできればガが飛来し始めたときから薬剤の散布を考えたほうが結果として減農薬になります。(バジルでの実験結果より)

農業資材(肥料)2

 肥料いろいろ 難易度

 流通している肥料にはたくさんの種類があります。手に入りやすいものを写真で紹介していきます。
 
 紹介してあるものは、私の使用しているもの又は、友人より撮影のため頂戴してきたものです。営業や中傷を目的として掲載しておりません。
 
 有機化成肥料
しき島特1号

 成分8-7-7の低濃度化成です。有機質に動物質のものがおおく使用されているらしく高価な有機化成です。
 粒状になっているのは、吸湿性を低くするため(湿気ないように)、撒き易さ(機械で散布可能)、防塵のためです。これも、撒いて水をかけると粒が崩れてすぐに解けます。
 有機配合(有機物の割合の高いもの)に比べて、植物に早く効きます。


 有機配合肥料
七福80号

 成分8-8-8。有機含有量80%以上、値段は高いが良い肥料です。有機化成と同じように有機物を原料に使用していますが、肉眼で判別できます。
 よくみてください。

アップ

 白い破片は骨粒(骨を砕いたもの)、黒い粒は皮粒(動物の皮)、黄色い粒は種粕(菜種粕)、小さな白い破片は硫酸カリ、灰色の玉粒は菌体・・・などなど、単肥を知っていれば何が配合されているか良くわかります。
 このように粒状のものを配合してある肥料は偽装をしにくいものです。撒きやすく、長く効きます。
 私が一番気に入っている肥料です。(ちょっと金額が高すぎる・・・・)


 有機粒状肥料
センダン有機粒状846

 成分8-4-6.
 有機原料を粉砕して、化成原料と配合してから圧縮造粒する。ペレットと呼ばれます。粉にならないような硬いものが好まれます。
 同じ配合(原料)の配合肥料に比べて、コストは高くなりますが利点として、
 ①撒きやすい(機械撒きができる)
 ②動物に食害されにくい。・・・農家ではないと経験しないことですが、魚粕、肉粕などはカラスや獣に食べられてしまうので、自然が多い地域ではペレットを好む傾向にあります。
 
 土に混ぜ込む元肥としてでなく、土の表面に散布する追肥に向いています。(コスト的に)

 今回は、以上三種類です。


植物栄養

肥料成分と効果 難易度

  最初に、肥料にかかれている数字について説明します。
 8-8-8  窒素8%ー燐酸8%ー加里8% という意味です。(重量当り)
10kgの肥料でしたら、袋の中に窒素800g-燐酸800g-加里800gはいっているということです。

 これら窒素、燐酸、加里は、植物に多量に必要とされているので3要素と呼ばれています。この3要素に、炭素(C)、酸素(O)、水素(H)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、硫黄(S)の6元素を加えて多量必須元素と呼ばれます。この内、炭素、酸素、水素に関しては大気と水が供給源になるので肥料として考えられてはいません。(二酸化炭素施肥については別の項で)

 肥料成分の効果について説明します。
Ⅰ 三大要素(多量必須元素)
①窒素(NH4-N、NO3-N)
 タンパク質の構成元素(植物の生長に特に必要)。
 葉緑素、酵素、ホルモン、核酸などの構成元素。
②燐酸(P2O5)
 光合成に関与する。
 ATP、ADPなどを構成しエネルギーの伝達に関与する。
 細胞分裂、開花、結実に関与する。(生殖生長)
③加里(K2O)
 炭水化物の蓄積。
 細胞液の浸透圧維持。
 酵素作用の調節。

Ⅱ 多量必須元素
④カルシウム(石灰)
 細胞膜の生成と強化。
 有機酸の中和(pHの調節)。
 (土壌酸度、物理性の改善)。
⑤マグネシウム(苦土)
 葉緑素の構成元素。
 燐酸の吸収、移行に関与。
 多くの酵素の構成元素。
⑥硫黄
 一部のアミノ酸の構成元素。(シスチン、システィン、メチオニン)
 炭水化物代謝、葉緑素形成に間接的に関与(補酵素等)
 特殊成分の構成元素。(香気の成分等)

簡単に書いていきました。あまり細かくすると、他の要素と絡んできて書くのが難しくなってきますのでまた他の項で。微量要素も日を改めて書いていきます。
 
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農業資材(肥料)

肥糧の種類 難易度

ホームセンターや園芸店には、たくさんの種類の肥料が並んでいます。
どれがどれだか・・・、さっぱりという方が多いはずです。
まあ、ラベルの表示や店員の勧めで肥料を購入しているのが現状ではないでしょうか?
そんな方々の判断の一助になれるよう書いていきます。

一般的に販売されている肥料を分類していきます。土壌改良剤、ぼかし肥料、微生物肥料などは、
別の項目で説明します。
記号 N・・・窒素、P・・・燐酸、K・・・加里

 単肥   
 ① 無機質肥料(化学肥料) ・・・ 肥料成分の1成分を主として含む(N、P、Kのいずれかひとつ)
 ex 硫安、尿素、燐安、過燐酸石灰、塩化カリ、硫酸カリ、苦土石灰
 
 ② 有機質肥料 ・・・ 肥料成分の1成分を主として含む
 ex 魚粕、骨紛、皮革紛、菜種粕、大豆粕、菌体 
 主に植物質のものと動物質のものがあります。動物質単肥のほうが窒素成分が高く高価です。


 化成肥料 
 ① 普通化成 (N+P+Kの合計成分量が15~29%のもの)
 
 ② 高度化成 (N+P+Kの合計成分量が30%以上のもの)                      
 ①、②共に、有機質単肥を若干混入した有機入り化成と無機質単肥のみ合わせて作った化成肥料があります。                   


 配合肥料
 ① 有機質単肥と無機質単肥を混ぜ合わせたもの。
 流通量が多く、配合肥料といわれたら大概これです。価格の違いは、有機質含有量と有機質の種類によって変わってきます。
 
 ② 有機質単肥を2種類以上混ぜ合わせたもの。
 一般的に非常に高価。価格の高い農産物に利用される。有機農産物の認可を受けている農家は有  機質単肥かこれを使用します。
 
 ③ 無機質肥料を2種類以上混ぜ合わせたもの。
 あまり出回ってはいません。


 液体肥料
 ①土壌施用液肥
 主に、無機質肥料の液体または、水溶液。微量要素を含んだものがあります。

 ②葉面散布用液肥
 有機入り液肥といわれるものは大体これ。薬害を出しにくいように成分が調整されている、高価です。

種類については以上です。
次は、成分について書いていきます。
                    

農業技術

やまひこ農園 園主 増井喜彦が農業技術について細かく書いていきます。農業に関心のある方、家庭菜園を行っていらっしゃる方、少し専門的に知りたい方はゆっくりご覧ください。

ネギ栽培風景
 

畑を前にして、何を、いつ、どのように、何を使って、と疑問がわいてきます。まずは、細かい技術は後にして農業で使用される資材について詳しく書いていきます。

ミニトマト(アイコ)


記事は、超難(S)、難()、中()、易()の四段階に分類して、符号をつけました。難しいところは飛ばして読んでください。実際に栽培をしてみて、読み返すことによって理解できるようになると思います。


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